グーグルやヤフーの検索エンジンでシロアリ駆除について検索していると、
「シロアリ駆除業者ランキング」という関連キーワードが出てきます。
このサイトをご覧の方は
シロアリ駆除で失敗しないために色々とネットで調べていると思うのですが、
このシロアリ駆除業者ランキングのサイトには注意しなければいけません。
例えば、先日、自作自演の業者ランキングサイトを運営する業者が消費者庁の指導を受けました。
同庁によると、両社は電気機器や鍵、パソコンなどの修理サービスを提供。自社サイトに「年間実績１０万件以上」「お客様満足度９３％」などと、大幅に水増しした数字や実施していないアンケート結果を掲載していた。受注実績に国土交通、防衛両省やＪＲ東日本などを挙げたほか、民放の情報番組の取材を受けたとしていたが、いずれもうそだった。
さらにＡＲＳは自ら比較サイトを開設した上で、根拠のないデータを示し上位に自社サービスを掲載。閲覧者を誘導していたという。（2017/11/02-18:00）時事ドットコムニュース: 比較サイトで自作自演＝修理業者に措置命令－消費者庁
ここではシロアリ駆除業者ランキングとは何なのかについて説明します。
シロアリ駆除業者ランキングとは？
皆さんは、シロアリ業者を探すときには、インターネットでシロアリ業者の口コミや評判を調べると思います。
評判の良い業者はいないか、検討している業者に悪い噂はないかなど、
このような情報を調べる理由は、業者に騙されたくないからでしょう。
ところが、このような人の心理を逆手にとって、
一部の会社は社会倫理に欠如した宣伝活動を行っています。
「口コミ代行」と検索すれば分かるように、インターネット上には
口コミや評判を代行して宣伝する業者による情報サイトが溢れています。
【参考：シロアリ駆除業者の口コミ・評判に騙されるな！】
シロアリ業者ランキングとは
有名なシロアリ業者と問い合わせにつなげたい特定の業者とを比較して自社（目的の業者）の評価を吊り上げて集客する手法です。
ランキングサイトの多くが自社サービスを他社よりも高く評価することで消費者へ自社への評価を高く認識させることを目的としています。
よくあるのは、知名度の高い有名なシロアリ業者よりも特定のサービスを高く評価することで
シロアリ業者を探している消費者に信頼させ、問い合わせにつなげています。
具体的にどのような内容なのでしょうか。
悪質なシロアリ業者ランキングの特徴
それでは悪質なシロアリ駆除業者ランキングの特徴を説明します。
宣伝目的なので比較内容が宣伝対象の業者中心
シロアリ業者ランキングは、
宣伝対象となる業者の宣伝が目的の情報サイトであるため、
比較している内容が偏っており、
宣伝の対象である業者が一番優良であると認識されるように作られている特徴があります。
例えば、
下記の表では、A社は料金内サービスにたくさん記載がありますが、B社には「無料点検」とだけ記載されています。
この比較表で、A社の料金内サービスに記載されている内容は、実際はB社でも料金内のサービスであり、他のシロアリ業者さんでも別途費用がかからないことがほとんどです。
| 駆除費用単価 | 料金内サービス | |
|---|---|---|
| A社 | 1,200円/平米 (約4,000円/坪) |
・無料調査 ・出張費用 ・駐車料金 ・薬剤費用 |
| B社 | 2,500円/平米 (約8,300円/坪) |
・無料点検 |
また、A社はシロアリ施工店ではなく、インターネット上で広告と受付を行い、全国の業者に取り次ぎをする仲介業者です。仲介業者は、シロアリ業者からの手数料を目的としており、ホームページ上の表記やサービスの品質、加盟施工店の営業及び工事について一切の責任を負いません。
しかし、シロアリ駆除に詳しくない人がこの比較表とブログや比較サイト内でのおススメのコメントを見ると、A社は紹介業者ではなくシロアリ業者で、他のシロアリ業者さんよりも提供サービスの内容が一番優れてると認識してしまいます。
契約当事者でない仲介業者をおすすめしているサイトは要注意！
シロアリ駆除業者ランキングで、特に多いのが
相場よりも著しく安い料金広告を行っている仲介業者をおすすめしている情報サイトです。
仲介業者は、シロアリ業者からの手数料が目的ですので、沢山の見積もり依頼の受付を行うために、相場よりも著しく安い料金広告で消費者を惹きつけます。
そして、ステマ（自作自演）サイトや、宣伝代行業者を介して、自社サービスが料金の安さだけではなく、他社の品質よりも優れていると認識されるようにインターネット上の情報を捏造しています。
引用：比較サイトの表
よくあるのは、このように数社の知名度が高いシロアリ業者と比べ、
「安さ」「シロアリ対策協会の指定工法を採用」「５年保証」を理由として
宣伝目的である仲介業者サービスが一番におススメされている情報サイトです。
仲介業者は初めの受付だけで、保証や工事の責任を一切負いません。
したがって、シロアリ施工店と仲介業者とを比べることがナンセンスです。
シロアリ駆除は、相場よりも著しく安いと様々なリスクが高くなりますが、仲介業者のおススメしているサイトでは、安さのリスクについて、触れられることはありません。
また、シロアリ対策協会の指定工法の採用は、採用することは素人でもできます。
工法や資格ではシロアリ駆除はできません。
仲介業者に紹介された工事業者の施工後、シロアリの発生や施工店の保証を受けれないなどのトラブル時、仲介業者が保証をするわけでもありません。
ある仲介業者では自社への責任から逃れるため、ホームページで表記している内容や加盟施工店の提供サービスの品質を保証するものではなく、一切の責任を負わないことを小さく明記されています。
シロアリ駆除の業者選びは各々の施工業者で判断しましょう
シロアリ駆除は、業務の妥当性が判りにくいことから、悪質営業や悪質施工などのトラブルが多い業界です。
無責任な仲介業者はシェア拡大の為にアフィリエイト広告を介して宣伝活動を行っています。
アフィリエイトというのは、成果課金型の広告で、
例えば、あなたが所有しているブログや情報サイト経由で見積もりの依頼があると、報酬が発生する仕組みです。
悪質なアフィリエイターは、報酬を得るために、実際のサービスの品質に関係なく宣伝対象の業者のサービスが他社よりも有利になるようにランキング形式で宣伝を行い、見積もりの依頼に誘導します。
東証上場で24時間のコールセンターを設置していて安心だと
仲介業者の提供サービスがあたかもシロアリ業者で保証をしてくれるかのようにPRされていることがありますが、
あなたが契約をするのは、おススメされている仲介業者ではなく、紹介される業者です。
実際に見積にきて工事を行う業者は、
開業したばかりの個人事業主かもしれません。
業績が悪く自転車操業に陥っている倒産間際の業者かもしれません。
シロアリ駆除の実績が少ない業者かもしれません。
もし、工事後にシロアリが発生してもシロアリ業者が廃業していれば、新たにお金を支払って工事を行わなければいません。
「東証上場」で「２４時間コールセンター」は初めの受付だけで、紹介後の責任はありません。
したがって、シロアリ業者を選ぶ時には、誰が工事をして、誰が保証をし、誰が責任を取るのかに注意して、
各々の施工業者で判断する必要があります。
おススメ№1？消費者トラブルを生む仲介業者のシステム
仲介業者は、シロアリ業者からの紹介手数料を目的としているため、相場よりも著しく安い料金帯での広告で消費者を惹きつけて見積もりの依頼につなげています。
消費者側からすると、
一見、お得に思えますが、
実は、シロアリ駆除において、この手の業者紹介サービスは様々なリスクが高くなるシステムなのです。
ネットでおススメされている仲介業者を利用する時の注意すること
シロアリ業者からの紹介料が目的の仲介業者は、自社の利益を優先したシステムで、広告表記の金額では施工業者側は採算が取れないため、
「施工品質」「企業体質の健全性」「財務状況の健全性」
など、まともな業者が紹介されないリスクが高くなります。
施工業者に採算が取れないと起こる3つのリスク
安い広告を見ると、
一見、消費者はお得な広告に思えますが、
シロアリ業者側は、相場よりも著しく安い料金帯から3～4割の紹介手数料を仲介業者に支払います。
例えば、
平米1200円の広告であれば、
シロアリ業者は実質的に平米700円～800円で、工事を請けているということです。
60平米の家であれば、42000円～48000円くらいで
事前調査から工事、5年間のアフターまでを行う必要があります。
しかしながら、
シロアリ業者側からすると、
5年間を総じて採算がとれないので、
この手のシステムでシロアリ業者が存続するためには
追加工事などで利益を補填する必要がでてきます。
つまり、
仲介サイトからの業者紹介はシロアリ業者側は採算が取れない為、
「追加販売を前提とした悪質営業に遭う（必要性の低い商品を売られる）」
「薬剤の希釈倍率が通常よりも薄く再発する」
「業績の悪い業者を紹介される」
などの可能性が高くなるのです。
運営者にシロアリ駆除の専門知識のないことで起こるリスク
インターネット上の仲介業者は、WEBで集客を行うプロであり、
シロアリ駆除については全くの知識がありませんので、消費者からの大きなクレームとならない限り、悪質業者の存在に気付くことができません。
また、シロアリ業者からの紹介料が目的であるため、
いかに、受注率や紹介料（契約代金）が高い業者であるかが、
仲介業者にとっての優良業者であるかの基準となります。
そのため、
「悪徳業者の格好の棲み処となる」
「施工技術力の低い業者を紹介される」
などのリスクが高くなります。
過去に、シロアリ駆除は、訪問販売系の業者が多く、消費者トラブルが問題となりました。
現在は、法律の規制によって、訪問販売によるトラブルは以前よりも少なくなりましたが、
近年は、訪問販売出身の業者がインターネット上の仲介サイトに登録して、顧客を紹介してもらっている傾向にあります。
前述のように、仲介業者の加盟施工店に対する評価の基準が、施工品質ではなく、
紹介案件の成約率や仲介業者に対する紹介料（契約金額）の高さですので、
技術力のある施工業者よりも
営業力のある訪問販売系の業者が高く評価され、優良業者として紹介されてしまいます。
消費者庁がアフィリエイト広告主を規制もネットの情報汚染はなくならない
これまで、アフィリエイト広告は、責任の所在がわかりにくいこともあり、消費者庁の規制が甘い分野でした。
責任がないことから、誇大広告やサービスの品質を誤認する内容の情報がインターネットに出回り、
それを信じた人が、後でトラブルに遭う被害もみられました。
このような背景からか、
幸いなことに、最近、消費者庁がアフィリエイト広告主に対して、厳しく責任を追及する動きに乗り出したようです。これは非常に大きなことです。
しかし、社会倫理が欠如した業者は、自社の活動が社会にどのような影響を及ぼしているのかを考えません。
法に触れなければ自社の利益のために活動を行います。
今後も、インターネットの情報汚染はなくならないでしょう。
シロアリ業者ランキングに限らず
情報化社会では情報を鵜呑みにせず、
「何故なのか」自分の頭で考えることが必要です。
