シロアリ被害は普段の生活の中では気付くことが難しく、シロアリの侵入後ある程度の年月が進行して羽アリの発生などで気付くことがほとんどです。
したがいまして、家を建てたらシロアリ被害を防ぐために定期的にシロアリ対策を行う必要がありますが、
(シロアリを知らなかった・うちはベタ基礎だから大丈夫など)
・業者のイメージが悪く相談できなかった
ということが原因で、シロアリ被害に遭われるケースがほとんどです。
特に、前者の場合は、シロアリ対策の必要性を知ることでシロアリによる住宅被害を防ぐことができます。
また、現にシロアリ被害に遭われている方も早期に対策を行うことによって、
被害の程度を最小に抑えることができます。
シロアリ被害は、場合によっては建物への甚大な被害を及ぼすこともありますので、資産や生命を護るためには、シロアリ被害について知り、シロアリ対策の必要性を理解することが必要です。
このページでは、シロアリ被害から家を護るためにシロアリ対策の必要性についてお伝えします。
シロアリ駆除・予防の必要性
シロアリ被害とは
シロアリは木材中に含まれるセルロースという成分を栄養素としています。
シロアリは、自然界の中では枯れ木や倒木などを食べてくれ、物資循環として重要な役割を担っていますが、
シロアリには枯れ木や倒木と人の住む家との違いが分かりませんので、
そこに木材があると、家の柱や土台であれ、格好の餌場として認識してしまいます。
シロアリ1匹の個体は小さくても、
シロアリは数万匹から百万匹もの大家族で生活をしていますので、
餌場を見つけるとフェロモンを発して仲間のシロアリを呼び、
たちまち何万匹ものシロアリが集まって家を食べて行ってしまいます。
このようにシロアリが住宅や施設などを餌場と間違えて食害されることをシロアリ被害と言います。
シロアリ被害の4つの影響
シロアリ被害は、人間の生活に4つの影響が生じます。
【経済性への影響】
白蟻被害に遭うと、駆除にかかる費用だけでなく、
柱や土台などを現状復旧するための費用が必要となります。
部位や被害範囲、被害程度によっては、
数百万円以上の金額が必要となることもあります。
【資産価値の減損】
シロアリ被害は、資産価値としての金額にも影響を及ぼします。
【耐震性への影響】
シロアリ被害の部位や被害の程度によっては、自然災害時の耐震性に影響を及ぼすことがあります。
【近隣関係への影響】
白蟻は被害が進行すると、羽アリとなって大量に発生することがあります。
大量の羽アリの発生源となることで、近隣との関係に影響することがあります。
シロアリとベタ基礎の関係
よく、「コンクリート基礎だからうちは大丈夫」という声を聞くことがありますが、
結論からいうと、ベタ基礎(コンクリート基礎)であってもシロアリによる被害はみられます。
原因は、基礎や配管の立ち上がりには僅かな隙間があり、白蟻は大顎でコンクリート粒子をかみ砕き、建物に侵入をしてくることができるためです。
正確には、「ベタ基礎は、床下が土と比べてシロアリに入られにくい」ということです。
建築基準法上は、ベタ基礎はシロアリ対策を講じたとみなされています。
しかし、住宅金融公庫では、ほとんどの地域では新築時のシロアリ対策(土壌処理〉は必須とされています。
ベタ基礎が普及し始めの頃は、ベタ基礎であればシロアリは入らないと言われていましたが、現実にはベタ基礎であってもシロアリ被害がみられました。
床下がベタ基礎であっても、地域に合わせた効果的な土壌処理を行ってない場合は、築2年~3年でシロアリ被害がみられることがあります。
その為、住宅金融公庫では、ほとんどの地域で土壌処理は必須とし、大手ハウスメーカーは、ベタ基礎であってもシロアリ業者によるコンクリート打設前の土壌処置や木部処理を行っています。
床下が土と比べてベタ基礎の方がシロアリに入られにくいだけで、シロアリに入られない訳ではありません。
シロアリから家を護るためにはどうすれば良いのか
シロアリから家を護るためには、専門業者に相談して、シロアリが間違って家に侵入しない為の対策を行うことが一番安心です。
ホームセンターなどに防除薬剤が市販されていますが、シロアリにおいては家一軒に対して有効な処理を行う必要があります。
その為には薬剤散布や穿孔処理といった方法や使用する薬剤の知識だけでなく、
建物の構造や木材の知識、被害現場での経験が必要となります。
特に家屋損傷の著しいイエシロアリの生息地域においては、床下からは処理ができないような場所での一カ所の侵入から家全体に被害が及ぶことがありますので、処理漏れや被害事例の多い箇所の処理方法については注意をしなければいけません。
シロアリ防除は、適当に薬剤を撒けば良いといった訳ではありません。
シロアリ業者の選び方について
シロアリ駆除は、業務の妥当性が「わかりにくい」ため、経験の浅い業者や専門でない業者も、業務を提供しています。
特に「わかりにくい」ことから、悪徳業者に参入されやすく敬遠されている業界でもあります。
シロアリ被害に遭われる家の特徴で
「シロアリ駆除の必要性を知らなかった」「シロアリ業者に良くないイメージがある」
この2つを挙げましたが、
もう一つ、
「業者選びの失敗」があります。
例えば、
料金の安さだけで業者を選んだ結果、
シロアリが再発生し、
その上、
「施工業者と連絡がとれない」、「施工業者が保証をしてくれない」
などといったことがあります。
また、「安く工事を請けて後から商品を売る商法」もあり、
工事中や工事の後に色々な商品を勧められて、断り切れず契約して後悔したなどもよくあることです。
このように業者選びで失敗しないためにはどうすれば良いでしょうか。
シロアリ業者選びの重要な3つの要素
シロアリ業者を選ぶ時、重要なポイントは3つあります。
シロアリ駆除の技術のある実績豊富な業者を選びましょう
シロアリ被害現場をよく知っていると、予防施工においても、シロアリの侵入を想定した対策を行うことができます。
反対に、予防工事ばかりで、本当の被害現場を知らなければ、建物の状況に合った予防工事は行えません。
また、近年の住宅構造の多様化によってシロアリ被害も複雑化しています。
そのため、シロアリ対策も日進月歩で研究が必要であり、実績豊富な専門業者に依頼することをお勧めします。
本当に工事保証をしてくれる業者を選びましょう
シロアリ駆除は、工事の後の5年間の保証を行うことが一般的です。
しかし、
「施工業者の廃業」「施工業者と連絡がとれない」「対応してくれない」などによって、シロアリが発生しても、保証がされず、新たにお金を費やして駆除を行う必要があるケースもあります。
シロアリ業者を選ぶ時には、本当に保証をしてくれる業者なのかにも注意しましょう。
社会倫理感の高い業者を選びましょう
シロアリ業者とは、工事後に長い付き合いとなります。
良心的で気持ちの良い業者であれば、長く付き合うことができますが、
残念ながら、中には、売上第一主義で迷惑営業を行う業者も存在します。
また、会社からの過度な営業ノルマや営業歩合給への依存によって、
現場で「不実告知」や「過剰販売」等、モラルハザードが起きることもあります。
シロアリ業者を選ぶ時には、
どのような考え方の業者なのかにも注意しましょう。
シロアリ業者に、
以上の3つの要素の1つでも欠けると、後々に後悔してしまうリスクが高くなります。