シロアリ駆除を依頼する時に、
最も気になるのが、
「シロアリ駆除の費用」だと思います。
見積書をもらったけども、
果たして、これは妥当な金額なのだろうか・・
このような相談をよく受けることがあります。
当然、料金が相場よりも高すぎるのは問題ですが、
作業の妥当性の分かりにくい「シロアリ駆除」では
料金が相場より安すぎるのも様々なリスクが高くなるため、
注意してよく考える必要があるのです。
今はインターネットの時代ですので、
業者の料金が高いかな?と思うと、自分で色々と調べて新たに業者を探すと思います。
しかし、人間は、自分が欲しい情報にだけ目がいってしまいがちですので、
お金を使いたくないという気持ちがあまりに強いと
インターネット上のステマ(自作自演)やアフィリエイト(宣伝代行)によるホームページの
「この業者が安くてお得ですよ~!」という口コミ情報を鵜呑みにして
安さのリスクについての情報は見落として失敗する傾向にあるようです。
このページでは、
シロアリ駆除費用の知識や失敗しない為の賢いシロアリ業者の選び方などついてご紹介します。
シロアリ駆除費用の知識
シロアリ駆除費用はどうやってきまる?
施工面積×単価(+付帯工事)が一般的な算出方法
シロアリ駆除の見積もりは、
家の広さ(施工面積)に施工単価を乗じて得た額とするのが一般的です。
例えば、1階面積が20坪の家で、1坪当たりの料金単価が7000円とすると
20坪×7000円/坪で、140,000円となります。
しかし、表記されている「平米」「坪」単価が安ければ、工事代金も安くなるという訳ではなく、
業者によっては、玄関や在来式浴室の土間処理や床下が基礎で囲われて侵入できない箇所がある場合に必要な「ハツリ作業」を別途料金とされる場合もあります。
また、床下進入口がない場合には、「床下点検口」の作成のための大工費用が必要となります。
「坪」「平米」の単位の換算方法
建物の施工面積の単位には、「㎡」と「坪」があります。1坪は3.3平米です。
例えば、
・1階の床面積
・20坪の場合:20坪×3.3=66平米
・66㎡の場合:66㎡÷3.3=20坪 となります。
シロアリ駆除費用の要素
一般財団法人経済調査会の統計によると、シロアリ工事の価格を坪当たり10,725円(1㎡あたり3,250円)が平均的な相場としています。
しかし、インターネットで料金単価を調べてみると
平米単価1200円の広告もあれば平米単価3000円の広告もあって
本当の相場がいくらなのかが分からないと思います。
実は、シロアリ駆除費用の要素は様々で、
一概に料金が「安い」か「高い」かという一面で
「適正」かどうかや「業者選び」の判断はできないのです。
シロアリ駆除費用の主な要素は次の通りです。
会社の規模
会社の規模が大きいほど、必要経費が増すため、料金単価を高くする必要があります。
建物の構造
木造・鉄骨だけでなく、床下から処理ができない場所(玄関や在来式浴室等)の有無、その面積によって処理方法、薬剤消費量、施工時間が変わります。
通常施工ができるか否かも料金に影響します。
被害状況
建物にシロアリが生息しているか否かによって、
「予防」か「駆除」によって施工単価が変わります。
また、シロアリ被害の程度、範囲は、「施工時間」「薬剤消費量」「技術」に影響するため、施工単価に影響します。
業態
施工業者の業態によって料金設定も変わります。
JA/大手ハウスメーカーを主な取引先とする業者や
地元の建築業者を主な取引先とする老舗の中堅業者、
インターネットからの集客を主とする新興系の業者など様々です。
地域
都心部と郊外とでは、土地の値段が違うため、平均的な家の広さが違います。
ある地域では、1階の面積が10坪~15坪が多く、
ある地域では、1階の面積が25坪~30坪くらいの家が多いなどです。
白蟻工事の費用算出は一般的に坪単価×施工面積ですが、どちらの家でも、同じ人件費と営業費がかかりますので、必然的に前者の地域の方が坪単価が高くなってしまいます。
また、ヤマトシロアリだけが生息している地域と、ヤマトシロアリとイエシロアリの両方が生息している地域では、シロアリ駆除の繁忙期の期間が違います。
その為、地域によって年間を通じて採算がとれる料金は変わります。
地域によって料金相場が違う理由です。
保証の内容
一般的にシロアリ防除工事は、5年の保証を行います。
施工後に何かあった場合に、無償で訪問点検を行い、もしもシロアリが再発生している時には無料で駆除を行います。
このアフター経費を見積もりに入れていないと、やりっぱなしとなったり、会社は廃業してしまうからです。
特に「再発の可能性が高い」の場合は、別途アフター経費を単価に入れておく必要があります。
シロアリ駆除費用が安すぎると伴う5つのリスク
インターネットの激安広告の特徴とそのリスク
特徴1.「広告主はシロアリ業者ではない」⇒専門性がないと生じるリスク
実は、インターネット上でよく見る価格重視の広告の多くはシロアリ業者ではありません。
これらは、シロアリ業者からの取次手数料を目的としており、インターネット上でホームページを制作して営業代行を行っている会社です。
インターネット上で集客をするためのホームページと受付と業者に取り次ぐためのコールセンターを運営し、工事が成約した場合に業者からの紹介手数料をもらうことで成り立っています。シロアリだけでなく、ネズミ・ダニ・ノミ・電気工事・ハウスクリーニング・塗装など様々なジャンルの情報サイトを運営しています。
中には数百以上のジャンルの情報サイトを運営している会社もあります。
広告を行っている会社は、見た目の良いホームページを作るのはプロですが、シロアリ駆除の専門知識もなければ工事の責任もありません。
この特性上、
シロアリ駆除を依頼する側においては3つのリスクが高くなります。
⇒(1)技術力に起因した再発事故のリスクが高くなる
インターネット上の情報サイトは、運営者にシロアリ防除の知識がないため、専門でない業者でも簡単に登録できます。
⇒(2)悪質施工のリスクが高くなる
特に、相場よりも極端に安い料金帯の広告で業者を紹介している情報サイトでは、
採算がとれないシステムであるため、
⇒(3)悪質な営業を受けるリスクが高くなる
ネットでは悪徳業者や専門でない業者を紹介されるトラブルが多い
インターネット上の営業代行業者にはシロアリ防除業務の専門知識がありませんので、特に、シロアリ駆除という分かりにくい業務を行う加盟施工店の技術面やコンプライアンス面の判断ができません。その為、元訪問販売系悪徳業者の格好の棲み処となったり、専門性の低い業者の紹介によるトラブルがみられます。
特徴2.「施工業者が採算がとれないシステム」によるリスク
インターネット上でよく見る激安料金広告で全国の業者に取り次ぐ仲介業者のシステムは、紹介される施工店は、工事成約の場合に、相場よりも安い工事代金からさらに高い手数料を紹介元の仲介業者に支払わなければいけません。
仲介業者の多くは、工事代金の3~4割を紹介手数料としており、実質、施工業者は、料金相場の3割程で、現地調査~工事~5年間のアフターまでを行わなければいけません。
工事を契約する施工業者からすると、もともと採算の取れない料金設定とシステムであるため、以下のリスクが高くなります。
⇒(4)薬剤の希釈倍率に起因した再発事故のリスクが高くなる
施工業者の経営状況が悪かったり、採算がとれない料金帯であると、採算をとるために薬剤に起因した再発事故のリスクが高くなります。
あるシロアリ損害保険会社の代理店さんによると、業績悪化により廃業するシロアリ業者は、薬剤の希釈倍率が通常よりも高いことによる再発事故が多いと聞きます。
⇒(5)保証の失効のリスクが高くなる
アフター経費分の利益がなければ、保証書もカタチだけで、アフターが実行されないばかりか、経営不振で施工業者の廃業による保証の失効するリスクが高くなります。
⇒(6)必要性の低い商品を勧められるリスクが高くなる
表示価格では採算がとれないため、利益を作るために、利益を補填するために、床下換気扇などの付帯商品の販売を前提とし、必要性の低い商品を勧められるリスクが高くなります。アフター点検も販売を目的とされるリスクが高くなります。
1200円/㎡の広告であれば、700-800円くらいの料金で工事を行っていることになります。
健全な営業では元々が採算が取れないシステムであるため、紹介できる業者の質も偏ってしまうでしょう。
シロアリ防除以外の役務で利益を上乗せる傾向があるようです。
特徴3.自作自演や口コミ商法のリスク
インターネット上で集客をして全国の業者に取り次ぐ営業代行業者は、
「ステマ(自作自演)」や「アフィリエイト広告(口コミ代行)」を行うなど
「売上(シロアリ業者からの紹介手数料)のためには手段を択ばない」傾向があるようです。
例えば、
インターネットで業者を探していると
シロアリ業者の比較ランキングやおすすめサイト(ブログ)などがたくさんあります。
よくあるのは、A社(本命)、B社(有名)、C社(有名)を比べて、A社が安くて一番おススメですよ! といった内容です。
これらのほとんどは、第三者を装って特定業者のサービスの評価を上げるための宣伝のためのホームページですが、
社会的立場を考え事業の指針をもっている業者であれば、このような宣伝手法は用いないでしょう。
失敗しないためのシロアリ業者の選び方
これまで、シロアリ駆除費用の要素や安すぎるとリスクが高くなる理由について説明しました。
それでは、後悔しないため、シロアリ業者を決めるには、何をポイントにしたら良いでしょうか。
以下の3つをご提案します。
後悔しないために見るべき3つのポイント
(1)シロアリ駆除技術のある業者であること
わかりにくいシロアリ駆除には、経験の少ない業者も参入しやすい特徴があります。
その為、専門でなかったり経験が少ない業者による再発事故もよく見られます。
また、近年は住宅構造も多様化しており、それに対応する知識や防除施工も取り入れる必要があります。
例えば、外基礎断熱工法に気付かずに床下の防除工事を行ったとすれば意味のない工事となります。
シロアリ防除工事で失敗しない為には、技術と実績のある業者を選ぶことが一つ目のポイントです。
(2)保証の実現性の高い業者であること
シロアリ防除は、シロアリ被害から家を護ることを目的としていますが、
どのような名人であっても、再発事故が100%ないということは断定できません。
そのため、施工後、万が一シロアリが発生した場合に、本当に保証をしてくれる業者でないと、新たにお金を費やしてシロアリ駆除を行うこととなります。
保証がされないケースは
・業者が嫌々な対応で保証をしてくれない
・施工業者と連絡がとれない
・施工業者が廃業した
などがあります。
5年保証だから安心と惑わされずに、
しっかりとした工事をしてくれ、
そのうえで、何かあったときには本当に保証をしてくれる業者なのかということに注意しましょう。
(3)社会との関係性を考えている業者であること
残念なことに、目の前の売り上げだけを考えて、
契約のためには、不実告知(嘘)や迷惑営業などが当たり前の業者もいます。
業態別の費用相場とメリット・デメリット
上場企業系
上場しているシロアリ業者は、積極的に広告宣伝を行い、
全国的に展開している傾向があるため、知名度が高いという点では安心感があります。
会社によっては営業ノルマが厳しい、社員の離職率が高い、などもあり、
過去には悪質な消費者トラブルによって消費者庁からの業務停止命令の指導を受けた東証1部上場の会社もありましたので、単純に上場しているから安心という訳でもありません。
参考料金:~3000円/㎡
大手ハウスメーカー系
分かりにくいシロアリ駆除を判断するには、
長年、品質基準の厳しい大手ハウスメーカー指定施工店で実績のある施工店であれば、最も信頼度の高い業態といえます。
年間の施工実績数が格段に多いので、経験値が非常に高く、多様化している住宅にいち早く対応している傾向があります。
参考料金:2000円/㎡~3000円/㎡
老舗系の建築業者下請け(地域密着)
少数精鋭での老舗のシロアリ業者では、営業人員をかかえていないことも珍しくありません。
見積もりに来る人が工務職だと、営業マンのように気の利いた言い回し方などはないかもしれませんが、
実際に工事を行っている職人と直接打ち合わせができることがメリットです。
上場企業などと比べると、会社の規模的に劣っても、
現場スタッフと経営者との距離が近いため、経営者の考え方がスタッフに浸透しやすく、細かな点にこだわっている企業もみられます。
参考料金:1800円/㎡~2500円/㎡
訪問販売系インターネット集客型
インターネット集客を主とする業者は、価格競争に陥りやすい傾向があります。
料金が安いメリットがありますが、採算がとれない料金設定であれば、床下換気扇などの「追加販売」によって利益を補填する必要があるようです。
料金の安さだけで判断するのではなく前述したリスクも考えて業者選びを判断をしましょう。